いま『台湾論』と『李登輝学校の教え』を
読み返しているところですが、
『李登輝学校の教え』で、
李登輝氏が台湾を民主化していく過程を
自ら語っているところがものすごく面白い!
李登輝氏は1988年、蒋経国総統の急逝により、
副総統から総統に繰り上がります。
おそらく、ご本人も予想外だったことと思います。
台湾で初めて、蒋一族以外からの総統であり、
本省人で初めての総統。
しかしその時の李登輝氏は、
肩書こそ総統となったものの、
全く権力を掌握しておらず、孤立状態でした。
そこから、旧来の権力を持つ勢力と対峙し、
権力を掌握していったかという戦いの様子は
非常にスリリングです。
李登輝氏自身が
「内にも外にも問題は山積していて、どれか一歩でも踏み出せば、
すべてが駄目になってしまうという、危険な綱渡りのような
状況だった」
と述懐しているほどです。
そうして自分の足場を固めてから改革を実行し、
中国的な人治主義的な体制を法治主義に変え、
民主化へと持っていったのは、
まさに奇跡を見る思いです。
ただひとりでも、
能力と覚悟のある人がいれば、
世の中は変えられる!
この本は、ニヒリズムを
吹っ飛ばしてくれる、
後世に残したい一冊です!
増刷決定、ぜひお読みください!